泌尿器のがんについて
性感染症(Sexually‑transmitted Infections;STI)は、性行為を通じて感染する病気の総称です。近年は若い世代に限らず、中高年層でも増加傾向にあり、決して珍しい病気ではありません。特に男性では「排尿時の痛み」「尿道からの分泌物(膿)」などが代表的な症状ですが、症状が出にくい場合も多く、気づかないまま放置するとパートナーへ感染を広げてしまう危険性があります。
当院では、すべての主要な性感染症に対応しています。気になる症状がある方はもちろん、パートナーが性感染症と診断されて不安な方もご相談ください。自分のためだけでなく、大切な人を守るために受診していただくことが大切です。
主な性感染症の種類と特徴
●クラミジア感染症
日本で最も報告数が多い性感染症です。男性では排尿時の痛みや軽いかゆみ、透明に近い分泌物が出ることがありますが、無症状のことも多く、気づかないまま放置すると「精巣上体炎」などを起こし、不妊につながることがあります。
●淋菌感染症(淋病)
強い排尿痛や黄色い膿のような分泌物が典型的です。淋菌は抗菌薬に対する耐性が世界的に問題となっており、適切な薬剤選択が重要です。
●非クラミジア性尿道炎
クラミジアや淋菌以外の病原体によって起こる尿道炎の総称です。症状は排尿時の痛みや違和感、透明な分泌物などでクラミジア感染症に似ています。
●梅毒
感染後3週間前後で性器や口の周囲に硬いしこりや潰瘍が現れ、その後、全身に発疹やリンパ節腫脹が出ることがあります。
●HIV感染症(エイズ)
初期には風邪のような症状のみで気づかれにくいですが、治療薬の進歩により、早期に治療を始めれば長期的に健康を保つことが可能です。
●尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって性器や肛門周囲にイボができる病気です。再発しやすい特徴があり、当院では診断と基本的対応を行い、必要に応じて皮膚科と連携しています。
●トリコモナス感染症
男性では自覚症状が乏しいことが多いですが、尿道炎として排尿痛やかゆみを起こすことがあります。
●性器ヘルペスウイルス感染症
単純ヘルペスウイルスによって性器や肛門周囲に水ぶくれや潰瘍ができます。初感染時は発熱や強い痛みを伴うこともあります。再発を繰り返すことが多く、抗ウイルス薬で症状を抑える治療を行います。
性感染症の検査
性感染症は、症状や病気の種類によって必要な検査が異なります。
- 尿検査:クラミジアや淋菌を調べます。
- 分泌物検査:尿道からの膿や分泌物を顕微鏡や培養で調べます。
- 血液検査:梅毒やHIVの感染を調べます。
- そのほかの検査:尖圭コンジローマなど、皮膚や粘膜に現れる病変を確認します。
当院では幅広い性感染症に対応可能な検査体制を整え、必要に応じて複数の感染症を同時に確認することも可能です。
性感染症の治療
性感染症の多くは薬による治療が基本です。
- クラミジア感染症:マクロライド系(アジスロマイシン)、テトラサイクリン系(ドキシサイクリン)など
- 淋菌感染症:セフトリアキソンなど
- 梅毒:ペニシリン系抗菌薬など
- HIV:抗レトロウイルス薬の多剤併用療法
- 尖圭コンジローマ:イミキモド(外用薬)、切除、凍結治療
- トリコモナス感染症:メトロニダゾールなど
- 性器ヘルペス:アシクロビル、バラシクロビルなど
医師よりひとこと
性感染症は、排尿時の痛みや不快感といった症状から気づかれることが多い一方で、「パートナーが性感染症と診断されたのに、自分(男性)はあまり症状がない」というケースも少なくありません。症状がないからといって安心はできず、知らない間に他の人へ感染を広げてしまう可能性があります。
自分のことだけでなく、大切な人の健康を守るためにも、気になる症状や不安があれば早めに検査や治療を受けることが大切です。当院では幅広い性感染症に対応し、プライバシーに配慮した診療を行っていますので、安心してご相談ください。
監修・文責:大山クリニック 院長 大山伸幸


