先日の新聞記事に、国立がん研究センターが発表した2015年のがん予測統計で大腸がんが胃がん、肺がんを上回り罹患者数第1になることが報じられていました。
日本人の食生活や環境因子の変化に伴い、大腸がんが欧米諸国並みに増えていることが明らかとなりました。
しかし、この記事では触れられていませんでしたが、実はこの発表された統計には、もう一つの大切な事実があります。
それは、がん罹患者数を男女別に見ると、男性のがん罹患者数において前立腺がんが第1位となったことです。
分かりやすく解説すれば、「2015年に国内で新たにがんと診断される日本人男性を調べると、前立腺がんが最も多くなると予想される」ということになります。
前立腺がんが厄介なのは、初期症状が全くと言っていいほどないところで、ほんの四半世紀前までは、前立腺がんは「静かなるがん」と呼ばれ、進行して骨に転移を起こして、初めて、前立腺がんに罹っていることに気付くケースがほとんどでした。
しかし、現在では血液中のPSA(前立腺特異抗原)と呼ばれる物質を測定することで、前立腺がんの可能性の高い患者さんを見つけ出すことが出来るようになりました。
PSA検査は医療機関のほか、人間ドックや住民健診などでも手軽に受けられるようになりました。
今や、前立腺がんは早期に発見して適切な治療を受ければ、治癒する可能性の高いがんとなりました。
50歳を越えた男性の方には、ご自身の健康のため、そしてあなたの事を大切に思うご家族のためにも、ぜひ一度はPSA検査を受けて頂きたいと思います。